2018年6月28日「おはよう関西」(午前7:45)

今回紹介するのは津波に供えてシェルターを開発した会社を紹介する。先に大阪でも大きな地震があった中、津波用シェルターとはどのようなものか取材した。

大阪府豊中市で作られている津波シェルター。小舟型で全長5.6mで最大25人が避難可能。このシェルターを開発し、製造・販売しているミズノマリンの水野社長にこの津波シェルターを説明してもらった。社長は「外壁はFRPと言う強化プラスチックでできており、中に発泡剤が入っている。その為、衝撃吸収力と浮力に優れる」という。さらに津波で転覆しても復元するように設計されており、中では津波で大きく揺れてもケガをしないように体を座席に固定できるようになっている。座席の下には水・缶詰などを入れる食料庫も完備されている。トイレも完備され、中で1週間過ごすことが想定されている。このシェルターの元になっているのが大型客船に備え付けられている救命艇。救命艇の修理などを長年行ってきた水野社長。そんな彼がシェルターを作るきっかけとなったのは6年前のタイの大地震。現地に偶然居合わせ、高台に避難しようとしたが思うようにできなかった。社長は「街中の人が一斉に高台に避難する」と述べた。社長はこの際に人口の多い都市部での津波用シェルターの必要性を痛感した。社長は「ここで津波が来たら死ぬなと思った。日本に帰れたら家で検査している大型船の救命ボートでシェルターを作ろうと決意を固めた」と話した。帰国した社長はシェルター作りを初めて約1年で完成に漕ぎ着けた。シェルターは1台約700万円。多くの人がいる大学やすぐに避難できない人がいる病院などが購入してる。更に今年完成したのが小型化した8人用シェルター。このシェルターは軽自動車が置けるスペースが有れば設置可能で今後は更に小型な家庭用シェルター開発も視野に入れている。社長は「津波に対する備えが現段階ではなさすぎると思う。例えばライフジャケットを1枚着るだけで生存率は大きく上がる。こういう専門設計のシェルターがあると生存率は格段に上がる。『普及こそが人命を守る』と私は考えている」と述べた。竹原は「大掛かりなものだと手が出せないが、コンパクトになると手が出やすくなるので期待したいと思う」と述べた。